Abstract:
計算ホモロジー理論とは、幾何学的、もしくは組み合わせ的なデータの ホモロジー群を高速に計算するアルゴリズムの研究である。これにより 例えば「与えられた10次元のデータに9次元の穴が幾つ空いているか」 といった、直感ではどうにもならない問題にも答えることができる。 その応用は力学系などの数学のみならず、工学や生物へも広がっており、 それに伴い様々なアルゴリズムが活発に開発されている。 このチュートリアルでは、計算ホモロジー理論とその応用について、 ソフトウェアパッケージの使い方などを交えつつ解説する。 ホモロジー群などの位相幾何学や、計算機科学の知識は仮定しない。 計算ホモロジーの応用としては、力学系の大域的な構造やカオスの検証、 センサーネットワークの被覆問題などについて解説する予定である。 時間に余裕があれば、単体複体上の離散ラプラシアンとの関連など、 最近の話題にも触れたい。Information:
数学連携研究センターではJST先端計測機器開発調査 「複雑系科学に基づく経年変化と予測に関する調査研究」を 受託し実施しています。この調査研究と関連してこの度 チュートリアルを開講いたします。本チュートリアルでは 様々なデータに隠された特異点の分類に役立つ可能性のある 理論について講義を行います。