21世紀COEプログラム : 特異性から見た非線形構造の数学

これまでに寄せられた質問一覧

18. 2007年10月9日 : S氏 (北大工学研究科)
17. 2007年7月2日 : R氏 (北大電子科学研究所)
16. 2007年2月28日 : Q氏 (北大医学研究科)
15. 2007年2月13日 : P氏 (北大電子科学研究所)
14. 2006年3月1日 : O氏 (北大工学部)
13. 2006年2月17日 : N氏 (北大電子科学研究所)
12. 2006年2月13日 : M氏 (北大医学研究科循環器外科講座)
11. 2005年5月 : L氏 (北大工学部)
10. 2005年4月13日 : K氏 (北大理学研究科化学専攻 博士課程3年)
9. 2004年12月6日 : J氏 (北大電子科学研究所)
8. 2004年5月9日 : I氏 (北大経済学研究科)
7. 2003年10月22日 : H氏 (北大工学研究科 都市環境工学専攻)
6. 2003年3月 : G研究所
5. 2002年3月14日 : F氏 (北大大学院法学研究科 刑法)
4. 2001年11月1日 : D氏,E氏 (北大理学研究科生物科学専攻 分野 : タンパク質結晶学)
3. 2001年9月20日 : C氏 (北大大学院 医学研究科 生体機能学専攻分子生化学講座 分子医化学分野)
2. 2001年8月27日 : B氏 (北大農学研究科応用分子昆虫学分野 博士課程3年)
1. 2001年8月7日 : A氏 (北大工学研究科 量子物理工学専攻 極限物理工学講座)
受付日 : 2007年10月9日 :
研究者名 : S氏 (北大工学研究科)
質問内容:
BACKGROUND = キーワード:パーコレション、固体中の伝導、サイズ効果
 私はアモルファス(非周期)固体膜中の水素イオン(H+)伝導の研究を行っています。一般にアモルファス固体中には、可動イオンをもつミクロドメインと不可動イオンをもつミクロドメインが存在します。熱励起などによって可動イオンのミクロドメインの割合が増加すると、それが連続的つながり、イオン伝導経路が形成されます(パーコレーションする)。この結果、アモルファス固体はイオン伝導性を示すようになります。
 最近我々は、アモルファス酸化物薄膜の厚み方向のイオン伝導について調べてきました。その結果、膜厚がある値より小さくなると、イオン伝導率が指数関数的に増大することがわかってきました。
 先に述べたように、アモルファスアルミノシリケート薄膜中には可動ドメインと不可動ドメインが存在します。両ドメインの存在比は、温度・圧力一定の条件下では、膜厚によって変化することはないと考えられます。従って上で述べたイオン伝導率のサイズ効果は、dが小さくなることによって、可動ドメインのパーコレーションに必要な繰り返し回数が減少する、つまり系のサイズの変化によってパーコレーション閾値が減少するためではないかと考えています。

QUESTIONS = キーワード:パーコレーション的イオン伝導におけるサイズ効果
 アモルファス薄膜のイオン伝導率のサイズ効果を、パーコレション理論によってシミュレーションおよび解析することは可能でしょうか。
公開セミナー :
  「パーコレーション的イオン伝導におけるサイズ効果」
  2007年11月7日 (水) 17:00〜 理学部4号館交流室 (4-508)
受付日 : 2007年7月2日 :
研究者名 : R氏(北大電子科学研究所)
質問内容:音声認知におけるニューロダイナミックスについての研究における データ解析に関する質問
津田先生が個別に打合せを重ねて,脳と心のメカニズム第8回 夏のワークショップ (2007年)にて発表するに至った。今後,論文へと発展する予定。
“A cognitive neurodynamics approach to verbal comprehension”
Hiroshige Takeichi, Sachiko Koyama, Andrzej Cichocki, Brett L Foster and David Liley
受付日 : 2007年2月28日 :
研究者名 : Q氏(北大医学研究科)
質問内容:
現在胃の運動機能を研究テーマとして,臨床実験をしております。これまでに健常人群25例,患者群25例にてデータを作成しました。
(1) VAS (visual analog scale) という方式 (患者殿に数字で自覚症状を聴取する様式) をとっているのですが,このような自覚症状の数値をt検定で検定するのは正確かどうか。
(2) その他の実際のデーターの取り扱いに関して,アドバイスを頂きたい。
非公開セミナー :
  「飲水超音波検査を用いたFunctional dyspepsiaの病態解明」 
  2007年4月11日 (水) 14:30〜 理学部4号館交流室 (4-508)
  ※詳細は添付PDF参照

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「医学データの解析についての質問があり,回答した。今後,新たな質問が発生した場合には,引き続き質問に応じることにした。」
受付日 : 2007年2月13日 :
研究者名 : P氏(北大電子科学研究所)
質問内容:
「スパイク発火率からの情報量の算出」
刺激方向ごとにニューロンのスパイク発火率が得られているとき,刺激方向に関してニューロンがどれだけの情報量を持っているかの計算法とその妥当性。
※詳細は添付PDF参照
公開セミナー :
  「スパイク発火率からの情報量の算出」
  2007年3月2日 (金) 11:00〜 理学部4号館交流室 (4-508)

***
「質問に応じた解決方法を与えた。まずは,解決と思われるが,必要に応じて引き続き対応する。」
受付日 : 2006年3月1日 :
研究者名 : O氏(北大工学部)
質問内容:
二次元ソリトン方程式であるKP方程式の初期値問題について文献を教えてほしい。 できれば,初期分布を与えたときの挙動などわかっていることがあったら教えて ほしい。

O氏
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田村信一朗先生

津田先生から個別に文献提供について依頼・情報収集をして,
回答済み。
公開セミナー :
  「固体中のフォノン(歪み)・ソリトン」
  2006年7月11日(火)14:00〜理学部4号館(4-508)
  More...
受付日 : 2006年2月17日 :
研究者名 : N氏(北大電子科学研究所)
質問内容:光イメージングの逆問題
N氏
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田村守先生(電子研 電子機能素子部門 超分子分光分野)には,津田先生と中村玄先生が相談の場を設けて,回答済み。
セミナーは行わないが,継続して相談にのることとする。
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平成18年5月16日(火)16:00〜 理学部3号館5階講義室(3-512)
関係者による研究打合せ開催

中村研究室で逆問題を研究している院生2人とポストドク2人そして中村の合わせて5人で田村先生の話を聞いた。まずは,田村先生からの問題提起という形で話して頂いた。田村先生の話の内容は,光CTとは何かその歴史と現状そして今なぜ数学が光CTの研究に求められているかについてであった。話を聞いた何人かは,光CTに強い関心を示した。今後も継続してこうした情報交換と研究討論を行うことにした。次回は,もう少し数式を交えた説明と基本的文献の紹介を田村先生にして頂き,情報交換と研究討論を行うことになった。
受付日 : 2006年2月13日 :
研究者名 : M氏(北大医学研究科循環器外科講座)
質問内容:心臓人工弁の振動に関するデータ処理とその意味について
心臓の人工弁を作って実際に患者に装着し,心音をモニターした。 心音の時系列をウェーブレットで解析し,正常弁と異常弁の差が高周波数帯域の 「角」の有無で判定できたが,それ以外に重要な差がありそうに思われる。 解析の妥当性を教えてほしい。また,これ以外の解析の手法とその適用範囲 なども教えてほしい。さらに,これらの時系列データとカオスとの関係はあるの かどうか。
どう見ればそれがわかるのか。カオスだとしたら,人工弁と生体の心臓の相互作用 にとってそれはどんな意味があるのか。 以上の点について教えてほしい。

M氏
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杉木宏司先生(北大医学研究科循環器外科講座)には,津田先生より回答済み。
公開セミナー :
  「心臓人工弁の振動に関するデータ処理とその意味について」
  2006年3月3日 (月) 16:00〜 理学部4号館交流室 (4-508)
  More...
受付日 : 2005年5月 :
研究者名 : L氏(北大工学部)
質問内容:
中村玄 教授指導 博士前期過程2年 竹井佑介 回答(修士論文となる)

北海道大学理学部理学研究科 数学専攻博士前期課程 竹井佑介

 将来の基幹エネルギーの候補として核融合の利用が模索されて来た。核融合反応を地上で効率的に起こす方法の1つとして1950年代にトカマク型の核融合装置が提案された。長年の研究開発を経て,これが現在最も実用化に近い方式と言われている。トカマク装置ではトロイダルコイルとプラズマ電流による磁場との合成によって螺旋状の磁力線が形成される。この独特の磁力線構造こそが,プラズマ内に高いエネルギー閉じ込め状態の実現を可能にしていると考えられる。
 実用炉の建設を目指して,この磁力線構造を持つプラズマの性質を調べる(核融合ではほぼこれが課題となる)様々な実験がこれまで世界各国で行われてきた。その実験において最も基本的な要求は,プラズマを着火させた後,真空容器内の所定の位置にしかるべき形状で保持させることである。この要求を満たすためには,電磁力と圧力勾配の力学平衡解析が重要である。トカマク体系は,近似的には軸対称と見なすことが出来るため,トカマクプラズマの平衡解析にはGrad-Shafranov方程式が用いられている。
 北海道大学工学部のL教授は,Grad-Shafranov方程式を解き,プラズマ内の磁束分布を求めるために境界要素法を用いた逆解析を行ってきた。境界要素法を適用するには,Grad-Shafranov方程式を境界積分方程式の形に変換する必要がある。L先生より,その際に必要となる解の境界積分表示が境界でどのような挙動を示すかについて数学的に研究して欲しいとの要請があった。私は,この要請された問題に対して明確な解答を与えた。その詳細は,次の通りである。私は指導教員の中村 玄教授に指摘して頂いた二重層ポテンシャルのjump formulaによる境界積分方程式の導出を,Grad-Shafranov方程式の基本解が定める二重層ポテンシャルに対して数学的に厳密に実行し,そこで得られたjump formula を視点として,従来の工学的アプローチによるGrad-Shafranov方程式の境界積分方程式への変換の正当性について検討した。即ち,工学的アプローチで用いられる境界積分の境界を外側や内側に変形する方法について,前者は正当であるが後者はそうでないことを示した。なお,ここで得られたjump formula は,Grad-Shafranov方程式の基本解がNewtonポテンシャル型ではないので,Newtonポテンシャル型のjump formula とは異なる形であることを指摘しておきたい。
受付日 : 2005年04月13日 :
研究者名 : K氏(北大理学研究科化学専攻 博士課程3年)
     ※発表は2名で行う。X氏(同)。
質問内容:
 現在,ある化学反応のシステムに関して速度論的解析を行っております。適当な反応モデルを構築し,式を立てるところまでたどり着きましたが,その後の微分方程式の解法でつまづいております。微分方程式の解法およびフィッティングに関して,いろいろとお話を伺いたく思っております。
非公開セミナー(世話人のみ) :
  「二電極間でのイオン輸送による情報伝達:−電位制御によるイオンの放出と検出−」
  「水素終端化シリコン単結晶表面上へのシリコン −炭素結合を介したオクタデシル単分子層熱的形成機構の速度論的解析」
  2005年4月22日(金)15:00〜 理学部4号館交流室(4-508)
受付日 : 2004年12月6日 :
研究者名 : J氏 (北大電子科学研究所)
質問内容:
 私は,真正粘菌変形体という巨大なアメーバ生物の体の形について生理学的な研究をしています。その体形は葉っぱの葉脈系とも見えるような流路ネットワークからなり,そのネットワーク形状は外部環境に反応して劇的に変わります。機能的には,栄養や信号を運ぶ輸送ネットワークであるため,「何らかの意味で良く出来ている」という前提のもとにその最適性の評価をしてきました。具体的には,粘菌のはう平面上のあちこちに小さい餌を置くと,粘菌は餌の上にコロニーをつくってそのコロニー間を管で結び,全体でコロニー間をつなぐ管ネットワークを作ります。コロニーをノード,管をエッジと見なしてグラフに置き換え,例えばエッジの全長の最短性,事故によるランダムな断線によって部分グラフに分割されない確率,ノード間の連結距離 (経由するノードの数) の近さ,を測ってみるとそこそこに良い値を持っていることが分かりました。いかんせん,聞きかじった知識でやっておりますので,厳密な最適値はどれほどなのか,またそれを効率よく探索するアルゴリズムにはどのようなものがあるのか,などよくわかりません。もとより,このような輸送ネットワークを考えたときに,理論的にはどのようなことが知られているのか,またはどのようなことが問題となるのかなど,基本的なことがらにも暗い有様です。どなたか,相談にのっていただける方がおりましたら,ぜひともご紹介いただきたく思います。

 以上は,私が今現在直面している問題でありますが,研究の背景として根本的な問題があります。こちらの方でも,何らかの意味で相談にのっていただける (ひとまず話を聞いて議論していただけるだけでもありがたく思います) なら最高に幸せです。それは,細胞の情報処理の問題です。どのような方法で処理 (計算?) をしているか? それを理解するには体形変化の数理モデル (たとえば力学系モデル) をつくって粘菌を模し,そのモデルの数理機構を計算過程として読み替えればよいのでは,と考えて進めておりますが,反面こんなことをしていても所詮数値アルゴリズム以上のことは分からないのではと思います。とにかく,体形変化の数理モデルを作る上では,粘菌の収縮リズムのパターン形成が重要な鍵になることがわかっていますので,結合振動子系のパターン形成とか,(粘菌変形体は粘弾性体ですから) 粘弾性体の運動を記述することが重要です。漠然とした問い合わせで申し訳ありません。もし関心のありそうな方がおりましたら,喜んで説明に伺いますのでお知らせくださいませ。どうぞよ ろしくお願いします。

公開セミナー :
  「あるアメーバ様生物がつくる輸送ネットワークの形と機能」
  2004年12月27日 (月) 16:00〜 理学部4号館交流室 (4-508)
受付日 : 2004年5月9日
研究者名 : I氏 (北大経済学研究科)
質問内容:
 現在,私は微分ゲームを使って社会紛争の数学モデルを構築して,その分析を 行っています。特に,非線形マルコフ完全均衡と呼ばれる戦略集合の characterizationを行っています。そのためには,動的計画法のベルマン方程式 を解く必要があります。状態変数の数を1個にしているため,偏微分方程式を解 く必要はなく,単純な常微分方程式を解くだけ十分です。 また,目的関数や動 学的推移関数に対して簡単な関数形を仮定しているため,ベルマン方程式から value function を明示的に解くことも可能です。

 それで,私の数学的な疑問点とは以下のようなものです。わたしは,非線形マル コフ完全均衡である最適戦略を明示的に求めたいのですが,それをするのには2 つの方法があります。ひとつは,フェーズ・ダイアグラム (コントロール変数と 状態変数の2次元の図) を用いて最適戦略を視覚的にcharacterizationする方法 と,value function を使って 最適戦略を明示的に導出する方法です。フェー ズ・ダイアグラムを見る限り,最適戦略は上述の相空間におけるsaddlepoint経 路上にある戦略であることがわかりました。そこで,2番目の方法で saddlepoint経路上の最適戦略を明示的に解こうとしました。しかしながら,そ の結果得られた最適戦略関数 (policy function) はフェーズ・ダイアグラムが 示唆する結果と一致しません。最初は,計算のエラーかと思い何度も再計算した のですが,やはり,両者の結果は一致しません。現時点では,なぜ,両者の結果 が一致しないのかわたしにはわかりません。

 単純な計算上のエラーかもしれませんが,よろしく御助言いただければ助かりま す。なお,上記質問内容がわかりにくいかもしれないので,未完成ではあります が,現在執筆中の論文も同封します。

公開セミナー :
  社会紛争モデル:微分ゲームにおける非線形マルコフ完全均衡戦略について
  2004年6月9日 (水) 16:30〜 (理学部4号館交流室 4-508)
受付日 : 2003年10月22日
研究者名 : H氏 (北大工学研究科 都市環境工学専攻)
質問内容 :
 1. 目的
 200から1500まで分子量が1つずつ変化する4つの有機物A,B, C, Dがある。複合された事象のA物質 (浮遊有機物) に対する3つの単事象のB (ディーゼル排煙) ,C (アスファルト),D (タイヤ) の物質の,ある分子量幅での単事象 (排出源) 毎の寄与率を求めること。

公開セミナー :
  空気中の浮遊有機物の排出源毎の寄与率の推定
  2003年12月12日 16:30-18:00 (理学部4号館交流室 4-508)
受付日 : 2003年3月
研究者名 : G研究所
質問内容 :
 画像データ処理関係のG研究所における企業戦略,商品説明,それらに関する数学的諸問題 (例えば,画像分離,画像認識の問題) について

訪問 :
  G研究所訪問
  2003年3月22日
受付日 : 2002年3月14日
研究者名 : F氏 (北大大学院法学研究科 刑法)
質問内容 :
  お訊きしたいのは,「選挙における一票の格差」の数学的基礎についてです。 憲法学の議論において,不平等が問題となる「投票価値」は「各投票が選挙の結果に対してもつ影響力」とされていますが,その影響力の基準は,何故か,「有権者数 (の逆数) 」に求められています。 そのため,周知の通り,「一票の格差」は,「ある二つの選挙区の有権者数の比」として観念されてしまっているわけです。 しかし,「投票価値」を「各投票が選挙の結果に対してもつ影響力」と解するのであれば,それはむしろ,「各投票が選挙結果との間に条件関係を有することになる確率」として観念すべきであるように思われます。

そこで,二人の候補者 (A,B) の中から一人を選ぶ選挙であって,ある特定の選挙人 (X) 以外の有権者全員が各々二分の一の確率でいずれかの候補者に投票する,というモデルを想定すると,この選挙において,Xの投票が結果との間に条件関係を有するためには,X以外の有権者がA,Bそれぞれの候補者に,同数か一票差の投票をすることが必要であり,かつそれで十分であるので,有権者数n人の選挙区における「一票の価値」は, (n-1) 人の有権者がそれぞれ1/2の確率でAかBのいずれかに投票を行う場合における,AとBの得票数が同数又は一票差になる確率P (n) ,として数値化されます。

ここで,mを,自然数nが奇数の場合は,m = (n-1)/2 自然数nが偶数の場合は,m = (n-2) /2 と定め,P (n) = (1/2) の (2m) 乗・(2mCm) を力ずくで計算し,「一票の格差」が2倍未満であれば憲法に違反しないことについては一般的合意があるので,あるnについて,2P(n) > P (n') となる,即ち「一票の格差」が2倍未満となる,最小のn' を求めると,手計算による周期性からの推測に過ぎませんが,nとn' について,

4n'-9 ≦ n ≦ 4n'-2 (但しn' は3以上)

という関係が恐らく認められ,そのときのnとn' の比,即ち有権者数の比を求めると,

4 - (9/n') ≦ n/n' ≦ 4 - (2/n')

となり,ここで,

n' → ∞ のとき n/n' → 4

となりますから,選挙区の規模が十分大きいとき,「有権者数の比」が4倍未満である二つの選挙区の間では,「一票の格差」は2倍未満におさまる,という,従来なされてきた議論からすると極めて興味深い結論が得られそうなのです。

前置きが長くなりましたが,お訊きしたいのは以下の点です。 第一に,上に述べた推測が正しいか否か。 第二に,少々一般化して,有権者数が十分に大きいとき,n人の候補者から1人の当選者を選ぶ選挙では,有権者数が何倍未満なら一票の格差が2倍未満になるか (即ち,小選挙区制の場合) 。 第三に,もっと一般化して,n人の候補者からm人の当選者を選ぶ選挙ではどうか (即ち,中・大選挙区制の場合) 。

いずれの場合も「4倍未満」という結論になると,感動的な美しさを感じるのですが。 (さらに,比例代表制の場合にどうなるかも気になりますが,あまりに複雑になりすぎる気がするので,今回は留保します。)

第四に,このような一票の格差の数学的実体の議論は,実は既になされているか否か。

公開セミナー :
  選挙制度の数理
  2002年5月24日 14:30- (理学部4号館第3講義室 4-508)
受付日 : 2001年11月1日
研究者名 : D氏,E氏 (北大理学研究科生物科学専攻 分野 : タンパク質結晶学)
公開セミナー : 蛋白質構造解析の自動化に向けて
  2001年11月29日 16:30- (理学部4号館第3講義室 4-508)
受付日 : 2001年9月20日
研究者名 : C氏 (北大大学院 医学研究科 生体機能学専攻分子生化学講座 分子医化学分野)
質問内容詳細 : (.pdf)
質問内容要約 :
 私の現在の関心は2次元の膜の場での酵素反応論の確立であります。
キーワード : 拡散律速,反応速度,酵素反応,衝突頻度 等です。
公開セミナー :
  「2次元生体膜での酵素反応は拡散律速であるか : 実験値からの数理的解析の可能性」
  2001年11月5日 16:30- (理学部4号館第3講義室 4-508)
受付日 : 2001年8月27日
研究者名 : B氏 (北大農学研究科応用分子昆虫学分野 博士課程3年)
質問内容 :
 DNAに存在する遺伝子がタンパク質として発現するまでの機構として,DNAの塩基配列情報がRNAに転写され,続いて,そのRNAの塩基配列情報からタンパク質が合成されることが知られています (セントラルドグマ) 。もう少し詳しく見ると,DNAにはタンパク質をコードする領域 (エキソン) とタンパク質をコードしない領域 (イントロン) が混在して存在しており,まずエキソン,イントロンを含めたDNAの塩基配列がそのまま転写されたRNA (pre-mRNA) が転写され,次にpre-mRNAからイントロンが切り出されエキソン同士が繋ぎ合わされて,エキソンのみの成熟したRNA (mRNA) ができます。これをスプライシングといいます。イントロンの数は遺伝子によって異なりますが (平均して4,5個くらい) ,40個以上に及ぶものも知られています。ここで仮に20個のイントロンをもつ遺伝子があったとして,これらのイントロンすべてが切り出されないと正しいmRNAは生成しません。すなわち正しいタンパク質が発現しません。ここで仮に正しいmRNAができる歩留まりを90%とすると,20箇所のイントロンを取り除くそれぞれのスプライシング反応で要求される歩留まりは,99.47%と,とても高いものになります。

(自分が調べた限り最も多くのイントロンを持つ遺伝子は78箇所のイントロンを持つヒト・ジスルトロフィン遺伝子で,この場合正しいmRNAが50%出来るためには,各スプライシングには97.97%の正確さが要求される。90%では99.69%,99%では99.97%の正確さが要求される。逆に,各スプライシングが90%の正確さしかないとすると,正しいヒト・ジスルトロフィンmRNAは0.027%しか生成しない。ただし78箇所のイントロンを持つヒト・ジスルトロフィン遺伝子は特殊な例で,制御も特殊なのかもしれない。) さらに,“本当にスプライシングを受ける配列”の近傍には,スプライシングは受けないけれども,受ける配列と“似たような配列”がある場合があります (スプライシングを受ける塩基配列にはコンセンサスがあります) 。そして,本当にスプライシングを受ける配列に変異が入りスプライシングを受ける配列として不十分となった場合には,その“似たような配列”でスプライシングが起こるようになります。この“似たような配列”はクリプティックサイトと呼ばれます。 すなわち,スプライシングを遂行する分子機構は,共にスプライシングを受けるポテンシャルをもつ“本物のサイト”と“似たような配列”とを,たとえば99.47%という高い確率で見分ける必要があります。

これはポジティブフィードバックを利用すれば一見可能かもしれませんが,スプライシングのコンセンサス配列といってもかなりの幅がありそれぞれの配列が特異的であることを考えると,1つ1つの遺伝子のイントロンで,それら特異的なフィードバックをかけていく必要があること,また,ヒトの遺伝子が3万個であることを考えると,ポジティブフィードバックだけでスプライシングを遂行する分子機構の高い配列認識力を説明することは難しいと思います。

また,分子生物学者が一般的に考えているスプライシングの分子機構モデルは以下のような物です。 まず,スプライシングのケミカル (エステル転移反応) はU1snRNP?U6snRNPと呼ばれるRNAとタンパク質の複合体が触媒します。試験管内では,これらを加えるだけでスプライシングが起きる場合があります。次に,SRタンパク質と呼ばれる一群のタンパク質 (20種類くらい) があります。SRタンパク質はRNAと結合してスプライングされる配列を特定したり,snRNP同士が複合体を形成するのを助けたりします。その他にも因子が知られていますが,これらがRNA上で複合体 (スプライスソーム) を形成することでスプライシングが起きると考えられています。もちろん,このモデルではスプライシングの分子機構がもつ高い配列認識力を説明することはできません。

数学的な疑問点・キーワード :
 上記で説明させていただいた背景から,スプライシングの分子機構がもつ高い配列認識力を説明しうる数理モデルを探しています。 (例えば,ブーリアンネットワークやベイジアンネットワークを応用することが可能でしょうか)
公開セミナー :
  RNSスプライシングの非確率的な制御と,その性質を説明するための数理モデル
  2001年9月27日 14:45-16:15 (理学部4号館第3講義室 4-508)
受付日 : 2001年8月7日
研究者名 : A氏 (北大工学研究科 量子物理工学専攻 極限物理工学講座)
質問内容 :
 我々の研究室では,メビウスの帯び状単結晶を発見しました。その生成機構を解明しております。

現在,様々なトポロジカルな結晶を作製することができるようになりました。 リング (0π-twist) メビウス (π-twist) 8の字 (2π-twist),,,です。

これらの総称名をなんと呼べばいいのか現在考えております。

公開セミナー : トポロジカル物質 : リング,メビウス,8の字結晶
  2001年9月6日 16:00- (理学部4号館第3講義室 4-508)
21世紀COEプログラム : 特異性から見た非線形構造の数学